- 調宮神社について知りたい方
- 調宮神社がどんな神様か知りたい方
- 調宮神社のご利益を知りたい方
- 周辺観光スポットを知りたい方
皆さん、こんにちは。
今回は、多賀大社の奥宮として知られる調宮神社を紹介します。
調宮神社は「ととのみやじんじゃ」と読み、滋賀県犬上郡多賀町栗栖にあります。
多賀大社から車でわずか5~10分、約3.1kmの場所にあり気軽に行くことができます。
調宮神社は、伊邪那岐命が多賀大社に鎮まられる前に、立ち寄られた場所と伝えられます。
参拝した日は祝日でしたが、訪れる人はおらず、ひっそりとしていました。
そのため、ゆっくりとお参りすることができました♪
特に境内に鎮座する岩が魅力的で、その岩の横にいると心地よく、いつまでもそこに居たい気持ちになりました。
栗栖には、豊かな自然があります。
芹川ではアメンボが泳ぎ、田んぼにはサギが舞い降り、霊仙山が視界に広がります。
皆さんも調宮神社に訪れて、懐かしい里山風景を楽しんでみませんか?
きっと心も体もリフレッシュすることができますよ♪
本記事では、調宮神社の歴史やご祭神、ご利益、境内見どころ、里山風景の写真、車でのアクセス方法、周辺観光スポットなどを紹介しています。
調宮神社について
調宮神社由緒
調宮神社由緒
祭神 伊邪那岐命 伊邪那美命
祭日 春祭三月三日 秋祭九月十五日
由緒 神代の昔 伊邪那岐大神は杉坂山にご降臨なされ次いでこの栗栖の里にて暫くお休みになられたことが當社の創祀とされる のち多賀の宮にお鎮まりになった大神は毎年四月の多賀大社古例大祭に先ず當神社へ渡御されて神輿鳳輦に境内の富の木を飾り打籠を圣て大社に還幸される これはご鎮座の昔を再現する神事といわれる なお十一月十五日の大宮祭にも大社より神幸がある多賀大社宮司 櫻井勝之進謹志
引用:調宮神社由緒案内より
御祭神
伊邪那岐命(いざなぎのみこと)
伊邪那美命(いざなみのみこと)
歴史と伝承
創祀(そうし:神様を最初にまつること)年代は不詳とされています。
神代の昔、伊邪那岐大神が最初に杉坂山に降り立ち、峠を下り、芹川上流の栗栖(くるす)の里にしばらく滞在しました。
その後、大神は多賀の宮に移られたのだそうです。
調宮神社は、多賀大社の元宮ともいわれ、古例大祭の際の御旅所(おたびしょ)になります。
お祭りでは、多賀大社にお鎮まりになっている大神が、御神輿(おみこし)に遷(うつ)られ、調宮神社に神幸(しんこう)されます。
この祭礼は800年以上もの歴史があるといわれています。
明治10年、調宮神社は「村社」の社格に認定されました。
祭事
古例大祭 (4月22日)
毎年4月22日に行われる多賀大社の古例大祭では、伊邪那岐大神が調宮神社に渡御し、御神輿(おみこし)や御鳳輦(ごほうれん)に飾られた境内の富の木と共に、多賀大社に還幸(かんこう)される儀式が行われます。
これは、大神が昔ここに鎮座された時を再現する神事とされています。
大宮祭 (11月15日)
11月15日に行われる大宮祭では、多賀大社から調宮神社へのご神幸(しんこう)が行われます。
御旅所とは?
神社の祭礼で神様を一時的にお迎えする場所。
(神様が神輿に乗って移動し、そこで祭典が行われます)
渡御とは?
御神体を神輿に遷し、担いでまちを練り歩くこと。
還幸とは?
御旅所から神様が戻ってくること。
神幸とは?
御旅所へ行くこと。神様が出かけること。
ご利益
伊邪那岐命と伊邪那美命は「国生み」や「神生み」を成しとげた神様です。
そのご利益は、縁結び、子宝、安産、子孫繁栄、夫婦円満、商売繁盛、五穀豊穣、家内安全、無病息災、厄除けがあります。
国生み
日本神話において、伊邪那岐命と伊邪那美命は日本の島々を生み出した創生神です。
最初に、淡路島、四国、隠岐の島、九州、壱岐の島、対馬、佐渡島、本州の八つの島を生みました。
次に、児島半島、小豆島、周防(すおう)大島、姫島、五島列島、男女群島の四つの島を生みました。
神生み
伊邪那岐命と伊邪那美命は国生みを終えると、続いて三十五柱の神々を生み出しました。
海の神、風の神、木の神、山の神、野の神、船の神、食物の神、火の神などです。
火の神を生んだ際に、伊邪那美命は火傷を負います。
伊邪那美命は病床に伏しながらも、鉱山の神、粘土の神、水の神、生産の神を生みます。
その後、火傷が原因で伊邪那美命は亡くなってしまいます。
伊邪那岐命は深く悲しみ、泣く涙からも神を生みます。
そして火の神を切り捨て、妻を追いかけて黄泉の国へ向かいます。(火の神の血液からも多くの神々が生まれます。)
黄泉の国で、伊邪那岐命は伊邪那美命と閉ざされた入り口で向き合い、伊邪那美命に「戻ってきてくれ」と頼みました。
伊邪那美命は「私もかえりたいと思いますので、黄泉神(よもつかみ)と相談してきます。その間、私を決して見ないでください」と答え、伊邪那岐命を待たせました。
しかし、しびれを切らした伊邪那岐命は戸を開けて中をのぞいてしまいました。
伊邪那岐命は、変わり果てた妻の姿を見て驚き、急いで死者の国から逃げ帰りました。
逃げ帰った伊邪那岐命は、穢(けが)れた身体を清めるために、海で禊(みそぎ)を行います。
その際にも多くの神々が生まれます。
そして最も尊い神である天照大御神、月読命、須佐之男命をお生みになりました。
このように、二神が行った国生みや神生みは、日本の国土を作り、人々の生活の基盤を築きました。
また、ご利益は多岐にわたりますが、特に子宝、安産、子孫繁栄の御神徳あります。
神話では、黄泉比良坂(よもつひらさか)で伊邪那岐命と伊邪那美命が別れる時、大岩を隔てて向き合い、言葉を交わします。
伊邪那美命は「一日に生きている国民千人の命をもらおう」といいます。
それを受けて伊邪那岐命は「それならば、一日に千五百の産屋(うぶや)を建て、赤ちゃんを誕生させよう」と宣言されます。
この宣言により、生まれてくる数のほうが多いので、人口増加が約束されます。
このことからも、伊邪那岐命は今も国の子孫の繁栄を願っているのではないかと考えます。
この神話には、伊邪那岐命が黄泉の国から逃げ帰る際に、髪飾りや櫛、桃の実を投げて難を逃れたという話があります。
黄泉比良坂にたどり着いた時、桃の木がありました。
その桃の実を三つ投げて、黄泉の国の者を追い払います。
中国でも桃は邪気祓いの霊木と考えられ、日本でも古くから魔除けや厄除けに効果ある果物とされてきました。
伊邪那岐命は、桃の木に意富加牟豆美命(おほかむずみのみこと)という名をさずけ、「この国の人が困難にあい苦しむとき、助けなさい」という使命を与えたとされています。
私は、桃に魔除けや厄除け効果があるなんて知りませんでした。夏はおいしい桃を食べて、暑さを乗り切るといいですね!
参考文献:執筆 茂木貞純 加藤健司『神話のおへそ』「第1章神話の世界を読むⅠ」より
下記のリンクでは、伊邪那岐命と伊邪那美命を祀る「熊野三社」について紹介しています。
二柱の神様について、もう少し知りたい方はこちらもご覧ください。
調宮神社の境内
鳥居をくぐると、左側には大小さまざまな石が置かれています。
そのまま進むと、右側に本殿があり、左側には拝殿があります。
本殿
本殿の作り
一間社流造 間口一間 奥行一間三尺
社殿の中央には龍が彫られています。左右の木鼻には獏が彫られています。
職人さんが思いを込めて丁寧に彫られているのが感じられます。お社もきれいで、栗栖の人々に大切にされていることが伝わります。
拝殿
拝殿の作り
切妻造 間口三間 奥行二間
調宮神社の見どころ
境内の磐座(いわくら)
調宮神社は杉坂山のふもとにあります。
境内の奥には、磐座(いわくら)と思われる大きな岩が鎮座しています。
高さは約2メートルほどで、お社でお参りしている間、ずっと気になって仕方がありませんでした。
まるで「こっちへおいでよ」と誘われているような気がしました♪
そんな気がしただけですよ(#^^#)
こうした出会いに私はとてもワクワクするんです!
岩の横はとても気持ち良く、そのまま5分ほど立っていました。
岩から心地よい風が吹き寄せられ、まるで岩が語りかけてくるようです。
「いつもこんないい風を感じているんだよ。気持ちいいでしょ。」そう言っている気がしました♪
風の音、川の音、カエルの声に包まれ、自然の中にいるこのひとときに、深い安らぎを感じます。
長い年月をかけて、周囲の自然と一体となった岩は、どんな記憶が刻まれているのでしょうか?
この場所にたたずんでいると、自然とそんな考えが浮かんできます。
古代の人々は、この岩に何を願い、何を祈ったのでしょうか。
昔の人も、この岩に神秘的な力を感じたのだと思います。
そしてこの岩は、依代(よりしろ)として据えられた時期があったのだろうと考えます。
岩の割れ目から植物が生え、自然と一体になった姿に、生命力を感じました。
神代の昔、伊邪那岐がこの地に降臨したという伝承も、調宮神社の神聖さを考えれば納得がいきますね(^^♪
風の通り道でしょうか?山から降りてくる神聖な風が心地いいです。
境内大小の石
苔むした境内の石は、鑑賞用にも見えます。
飛ノ木橋
黄色が目立つ飛ノ木橋。毎年4月22日に行われる多賀大社の古例大祭の神事の一つに「富の木渡し」があり、御神輿(おみこし)や御鳳輦(ごほうれん))、騎馬約40頭の行列がこの橋を渡っていくそうです。
御峯輦と御神輿は多賀大社で見ることができます。
お祭りは華やかで見ごたえがありそうですね(^^♪
調宮神社社号標
県道17号線沿い、飛ノ木橋を渡る手前に、多賀大社の御旅所と書かれた社号標が立っています。
調宮神社周辺の里山風景
神社の横を流れる芹川は、川底まで透き通る美しい川です。
岩場ではカエルの鳴き声が響き、水をはった田んぼには白サギがいました。
県道17号線を走ると、目前には杉坂山など、緑深い山々が広がっています。
車で走っていると、ちょっと気の早い子どもたちが、川で水遊びをする姿も見られました。
彦根ICからわずか15分ほどの距離で、のどかな風景に出会えます♪
参拝の後に、神社の周辺を散策してみました。
川辺に下りたり、田舎道を歩いたりしました。
川のせせらぎを聞き、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みながら、ゆっくりと散歩するのはいかがでしょうか?
日常の忙しさから解放され、穏やかなひとときを楽しむことができます♪
四季折々の美しい自然を楽しめる場所だと思います。(#^^#)
里山風景写真
霊仙山を水源とする芹川は、透明度が高く、清らかな水が流れています。
彦根の市街地を通り、琵琶湖へと流れていきます。
川辺に立つと、自分の姿が映るほど水が澄んでいて、よく見るとアメンボが泳いでいました。
調宮神社基本情報
名称 | 調宮神社(ととのみやじんじゃ) |
住所 | 〒522-0316 滋賀県犬上郡多賀町栗栖242 |
御朱印 | 無 |
アクセス | 車の場合 名神高速道路の彦根ICから約15分です。彦根ICを降りたら、国道306号と県道17号を進みます。途中で神社案内板が見えたら右折し、黄色い飛ノ木橋を渡ると右側に調宮神社があります。 |
調宮神社周辺の観光スポット
調宮神社から車で10分以内に行ける観光スポットを紹介します。
多賀大社
住所 | 〒522-0341 滋賀県犬上郡多賀町多賀604 |
電話願号 | 0749-48-1101 |
営業時間 | 8:00~ |
アクセス | 電車 彦根駅 近江鉄道多賀線 「多賀大社前駅 」下車 徒歩 10分 車 名神高速道路 彦根ICより10分 名神高速道路 湖東三山スマートI.C.から15分 |
駐車場 | 有 |
御朱印 | 有 300円 |
神社見どころ | 本殿、拝殿とお多賀杓子、太閤橋、寿命石、奥書院・庭園、大釜など |
多賀大社前にある多賀やさんでは、「糸切餅」やお土産を買うことができます。
野鳥の森
住所 | 〒522-0317 滋賀県犬上郡多賀町大字一円 |
電話番号 | 0749-48-0121 |
アクセス | 調宮神社から車で5分 距離2km |
河内の風穴
住所 | 滋賀県犬上郡多賀町河内宮前 |
電話番号(河内風穴観光協会) | 0749-48-0552 |
営業時間 | 9:00~17:00(受付 16:00) 夏期 9:00~18:00(受付 17:00) |
料金 | 大人500円 小人(5歳~小学生)300円 駐車料金 2時間 400円 |
アクセス | 調宮神社から車で7分 距離5km |
まとめ
多賀大社の奥宮として知られる調宮神社は、杉坂山のふもとに静かにたたずむ神社です。
神社が祀られた年代はわかっていませんが、伊邪那岐大神が多賀大社に鎮まる前に立ち寄った場所と伝えられています。
杉坂山の峠には、伊邪那岐命が箸を立てた場所に、杉が生えたといわれる御神木があります。
今回、峠の御神木を見に行こうとしましたが、車でのアクセスが難しいため、断念しました。
その代わり、調宮神社の境内にある磐座を見たり、自然の景色を見たりしながら、ゆっくりと過ごすことができました。
また、境内の横を流れる芹川の清らかな水で手を清め、古の神様と自然の神様に感謝の気持ちを捧げました。
伊邪那岐命は国生みと神生みの使命を果たした後、この淡海(近江)の地に鎮まったとされています。
神話の世界に想いを馳せながら、静かなこの森で、祈りを捧げてみてはいかがでしょうか。
感謝の気持ちが深まると、心が安らぎを感じます。すると波動が上がり、心も体もスッキリします!
皆さんも調宮神社に訪れて、そんな体験をしてみてくださいね♪
この記事を最後まで読んでいただきありがとうございました(#^^#)
参考サイト
一般社団法人 多賀観光協会
「多賀日記」http://blog.taga-kankou.com/?eid=1436429 2024/08
「河内の風穴」https://taga-kankou.com/watch_play/wa-spot-03.php 2024/08
滋賀県神社庁 「調宮神社 (トトノミヤ)」http://www.shigajinjacho.jp/ycBBS/Board.cgi/02_jinja_db/db/ycDB_02jinja-pc-detail.html?mode:view=1&view:oid=944 2024/08
参考文献
参考文献:執筆 茂木貞純 加藤健司『神話のおへそ』「第1章神話の世界を読むⅠ」、監修 神社本庁、発行所 株式会社 扶桑社 p. 39~p. 55 2012年2月20日初版発行